ゆうべの食卓
新潮社 | 2026/01/28
みんなの感想
主夫生活も十年近くなると、毎日の食事作りって本当に大事な時間なんだなって気づくんです。この本を読んでそれがしみじみと感じられました。 食卓の風景を通して、人間関係の儚さと温かさが上手に描かれていて。別れがあったり、時間が経ったりしても、一緒に食べた時間だけは心に残る。そういう感情、自分たちの家族生活の中でも何度も経験していることなんです。子どもの成長に伴って食卓の雰囲気も変わっていくし、時には親から教えてもらったレシピが受け継がれていく。 短編集だからサッと読めるのも良くて、朝の準備の合間や、夜に家事が落ち着いてからちょっと読む、そんな気軽さが心地よかった。各作品のどれもが、誰しもが持っているであろう「食卓での思い出」に優しく共鳴する感じ。決して派手ではないんだけど、読み終わったあとは作ったばかりの食事がより美味しく感じるくらい。 日々の家事を大切だと思える一冊。料理好きはもちろん、そうでない人にも読んでほしいですね。
食卓を舞台にした人間関係の物語、ということで手に取ってみました。短編集形式で、別れや成長、家族との関係など、誰もが経験しそうなテーマが次々と出てきます。 読んでいて感じたのは、この本が目指しているものは確かに良いということ。食べ物を通じて人と人の関係が映し出される、そういう優しい視点は素敵です。ただ、各短編が予想の範囲内で進む傾向があって、驚きや深い余韻が物足りないかなという印象。心がときめくようなシーンもあれば、「あ、そう来たか」という既視感も感じてしまいました。 忙しい平日の帰宅後、さっと読む分には心地よい一冊だと思います。特に食べ物や家族の話が好きな人にはいいかもしれません。ただ、強く心を掴まれる何かを期待していた自分には、もう一歩足りないな、という感じで終わってしまいました。
食卓を舞台にした短編集ということで、家事に携わる身として興味を持って読み始めました。料理を通じて人間関係の繋がりを描いているというコンセプトは素敵だなと感じます。 実際に読んでみると、どの話も確かに温かみはあるのですが、正直なところ、どれも似たようなトーンで展開していくので、途中で少し飽きてしまいました。短編集なので、もっと話ごとにバリエーションがあってもよかったかなと思います。 ただ、「ひとり暮らし初心者の娘に伝授される母のグラタン」の話や「前妻が残していたレシピブック」といった設定は、いろいろなことを考えさせられるエピソードで、そういった部分は丁寧に描かれていて良かったです。 家事をしながら、ちょっと一息つきたいときに読むような本という感じでしょうか。特別な感動があるわけではないけれど、読んだ後にほんわりとした気持ちになれる一冊です。家族との食卓を大切にしたくなる、そんな本でした。