地面師vs.地面師 詐欺師たちの騙し合い
出版社:講談社
出版年月日:2026/02/26
講談社 | 2026/02/26
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みんなの感想
積水ハウス詐欺事件という社会的スキャンダルを題材にした前作を読んでいたので、この続編は当然手に取った。何より興味深いのは、著者・森功が主犯格のカミンスカスから直接手紙を受け取るというユニークな構成だ。往復書簡という形式で、詐欺師自身の主張と著者の検証が交錯していく。 ノンフィクションの常として「真実は何か」という問いが根底にあるのだが、この本はその答えを簡単に与えない。むしろ詐欺師の論理、その自己正当化、そして著者の懐疑的眼差しが重層的に絡み合い、読み手も登場人物と同様に騙され、疑わせられる体験をさせられる。これは単なる事件ノンフィクションではなく、人間心理と言語の危険性についての考察でもある。 フリーランスとして個人でビジネスを進める立場からすると、詐欺の仕組みと人間関係の脆さについて改めて考えさせられた。知的興奮と警戒心が同時に刺激される、極めて質の高いノンフィクションである。