ルーズヴェルト・ゲーム

ルーズヴェルト・ゲーム

池井戸 潤

出版社:講談社 出版年月日:2014/03/14

講談社 | 2014/03/14

3.00
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

ドラマで話題になってた作品だから読んでみたんですけど、これって想像以上に面白いですね。野球部の再生を通して、会社全体の危機を描いてるっていう構成がめちゃくちゃ上手いと思いました。 リストラが進む中で、コスト削減のためだけに廃部を考える経営判断って現実的だし、そこに反発する野球部の面々のプライドや想いがぶつかる。登場人物それぞれがちゃんと背景を持ってて、単なる「頑張ったら成功した」みたいな単純な話じゃないんですよ。社長も監督も選手も、みんなが葛藤しながら進んでいく感じが良かった。 新社会人の自分からすると、会社経営とか組織の問題ってまだ実感しにくいところもあるんですけど、この本を読んでると「こういう判断とか葛藤ってあるんだな」って思えて、大人の世界の複雑さがちょっと見えた気がします。野球のシーンもちゃんと迫力があるし、普段ライトノベルばっか読んでる自分でも引き込まれました。エンタメ性と深さのバランスがいいので、漫画好きな人にもおすすめできると思います。

感想

企業再生と野球部というテーマは、確かに興味深い。構成も章立てがしっかりしており、一見すると手堅い作品に思える。ただ、実際に読み進めてみると、その期待と現実のギャップに少々失望させられた。 最大の問題は、登場人物たちの心理描写が表面的に感じられることだ。社長、監督、選手たちが直面する葛藤や決断の場面で、もっと深い内省があってしかるべきなのに、物語が急ぎ足で進んでしまう。ドラマ原作という背景が影響しているのか、紙幅の制約を感じさせる。 また、企業経営の現実と野球の熱血ドラマをバランスよく描こうとした試みは評価できるものの、どちらも中途半端な仕上がりになってしまっているように映る。ビジネス小説としての説得力、人間ドラマとしての感動力、いずれもがもう一段階の深さを求めていた。 娯楽作品として軽く楽しむ分には悪くないのだが、良質な人文・思想書に慣れた目には、やや物足りなさが残る一冊である。

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