源氏物語(7)

源氏物語(7)

玉上 琢弥

出版社:KADOKAWA 出版年月日:1971/06/11

KADOKAWA | 1971/06/11

4.00
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みんなの感想

古典文学の重要作として『源氏物語』は避けて通れない作品ですが、この第7巻は正直なところ、読み続けるのに少々根気が要りました。 新しい文庫版ということで手に取りましたが、やはり現代の私たちにとって古文は距離感があります。登場人物たちの運命の転機を追う中で、光源氏の衰えや周囲の人物たちの悲劇は歴史的な価値を感じさせるものの、感情移入という点では難しさを感じてしまいます。 ただし、編集の工夫は素晴らしく、補注や系図があるおかげで物語の流れを追うことができます。人間関係が複雑に絡み合い、各登場人物の思いが交錯する場面は、さすが文学史上の傑作だけあって完成度が高いと実感します。 上巻を読み進めるか迷っている方であれば、このあたりの分量と難度は覚悟が必要です。教養として読むなら価値ありですが、純粋に物語を楽しむという観点では、現代小説を読むほどの没入感は期待しない方が良いでしょう。古典との付き合い方を改めて考えさせられる一冊です。