源氏物語(6)

源氏物語(6)

玉上 琢弥

出版社:KADOKAWA 出版年月日:1970/09/26

KADOKAWA | 1970/09/26

3.33
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みんなの感想

源氏物語の後半の山場に当たる「若菜」の巻を読み終わった。光源氏の栄光が頂点に達する一方で、人間関係の綻びが次々と表面化していく様が本当に秀逸だ。 特に紫の上の心理描写に引き込まれた。女三の宮という新しい正妻の登場によって揺らぐ紫の上の心情、その葛藤と誇りの狭間での佇まいが、1000年前の物語とは思えないほど現代的で切実に感じられる。古典文学は遠い存在だと思ってたけど、人間関係における複雑な感情は変わらないんだなって改めて実感させられた。 また柏木の存在も興味深い。権力者・光源氏の前で無力さを感じさせられる若い貴族の哀れさと、そこから生まれる執着。この巻では登場人物たちの行動がすべて因果関係で繋がっていく構成の巧みさが際立っている。 完全本で読むと注釈や系図が充実しているのも有難い。複雑な人間関係を頭に入れながら読み進められるから、物語がより深く理解できる気がする。後半へ向けて物語がどう展開していくのか、次巻が気になってしょうがない。